発達障害の子との毎日

発達障害の子供との日常を綴っています。真面目な話あり、くだらない話ありです。

ちゃんと順番待ちしてたのに。

こんにちは、お菓子作りや料理が好きなmamemuchiです。先日カラメルソースを作りました。最後のお湯を入れる工程で、想定外の火災報知器作動。ものすごくびっくりしました。・・・まぁ、砂糖を焦がしたところにお湯を投入しますからね。焦げ臭いにおいしますもんね・・・。火災報知機の点検なんて全くしていませんでしたが、思わぬところで正常に作動する事が確認できました。あなたもカラメル作りの際はお気を付けください。

 

さて、もうシュウの幼稚園生活も残すところ1週間となりました。来週卒園式ですから。最近は、幼稚園生活の思い出がよみがえる事が多いです。今回は、予定を崩される事が大嫌いなシュウがキレた、幼稚園でのエピソードをお話ししたいと思います。

 

シュウが年少だった頃の事です。園庭で遊んでから降園するのが日課のシュウ。その日も園庭のブランコに乗りたくて、順番待ちをしていました。今乗っている年長さんのA君が降りたら、シュウの番です。

A君がブランコを止めて立ち上がり、シュウがそのブランコに駆け寄ろうとしたその時でした。A君の友達と思われるB君が突然登場。A君はB君にブランコを譲ってしまいました。

シュウは号泣。泣き喚きながらながら、上手く言葉にならないながらも抗議の声をあげました。当然です。約束通りに順番を守っていたのに、いきなり他人が乱入してきてシュウの権利を強奪したのですから。

ただ、子供の世界ではよくある事なんですよね。みんながみんな品行方正ではありません。今後も、この手のタイプには遭遇するでしょう。私がいつでも一緒にいられるわけではないので、自分で対処していかなければなりません。

しかし今の段階ではまだ、私がフォローしなければなりません。でも・・・咄嗟に気の利いたフォローが出来ず、私は動揺してしまいました

「近くにA君B君の保護者がいるかもしれない。だったら私は口出ししない方がいいかな。」とか、「『順番を守っていると結局損するのは自分。シュウが思ってしまったらどうしよう・・・。ちゃんと待っていたシュウを褒めるのに、何て言えば伝わりやすいんだ?」とか、「もしかして過去に、シュウがA君B君を抜かして横入りした事とかあるのかも・・・?」とか・・・短い間にいろいろな考えが頭を巡ってしまいました。

 

情けないです・・・。シュウが眼前で不当な不利益を被っているにも関わらず、私は何もできませんでした。頭でいろいろ考え過ぎて、なかなか行動に移せない。私の直したい所です。しかし泣き喚くシュウを見て、「さすがに悪いことしたかな。」とでも思ってくれたのか・・・。結局A君B君は、少ししてブランコをシュウに明け渡してくれました。

 

ああ良かった、これでひとまず問題解決・・・と思ったら・・・問題解決しませんでした。シュウが空のブランコを前にしてなお、号泣し続けるのです。

私が「シュウが乗ってもいいってさ。譲ってくれたから乗ったら?」と促しても動きません。泣きながら怒りの言葉(多分)を叫び続けています。

 

シュウは予定を崩されるのが嫌いです。最終的にはブランコを譲ってもらえたにしても、本来自分が乗れるはずだった時に乗れなくなってしまった事実は変わらないのです。今更譲られたところで、怒りは収まらないのです。

発達障害児にとって、「待つ」というのは難しい行為だったりします。シュウにとっても、そうなのです。「順番は守りましょう。」という約束を懸命に守り、ブランコに乗りたい衝動を抑えて待っていたシュウは、実は人知れずすごく頑張っていたのです。

頑張って頑張って待ち続けて、いざ自分の番と思ったら何者かが乱入。ブランコを奪われてしまいました。

それに対する怒りはそう簡単には収まりません。定型発達の子であれば、おそらく譲ってもらえた時点で怒りは沈静化すると思います。「ブランコに乗る。」という目的は達成できたわけですから。

しかしシュウの機嫌は直りません。

 

空のブランコを前に、意味の分からない言葉で泣き叫び続けるシュウ。周囲にはブランコ待ちの園児が複数いましたが、誰も一言も言葉を発しません。動く事も出来ずに、ただただ困惑の表情でシュウを見守っています。ブランコは1つ空いているのに、誰も乗ろうとしません。

空気が凍っています。ハッキリ言って、異様な光景です。

 

しかし1人の園児Cちゃんが、その空気を打開する勇気ある行動に出ました。空いているブランコに乗ろうと、一歩足を踏み出したのです。「誰も乗らないなら私が乗っちゃおうかな・・・。」と思ったのでしょう。

空いているブランコに歩み寄るCちゃん。するとシュウは更に怒りを増幅させて、Cちゃんを阻止しました

 

「俺の頑張りや予定を崩された怒りは、そう簡単には収まらない。後出しで譲ってもらったところで今更感がハンパなさすぎて、すんなりと乗る気にはなれない。まぁ最終的には乗るけど。しかしそれは今ではない。今はまだ、激怒タイム。これが落ち着いたら乗る。なのに・・・お前何勝手に乗ろうとしてんだよぉぉ!!これは俺の!順番的に俺が乗るブランコだから!勝手な事すんなぁぁーー!!!」

 

・・・って心境なんでしょうね、シュウは。Cちゃん撃退後(ゴメンCちゃん)、もうしばらくシュウは泣き続けました。そしてようやく怒りは鎮静化。しゃくりあげつつもブランコに乗りました。

 

ブランコ1つで地獄絵図ですよ予定が崩れるのが嫌い突発的な状況に対応するのが苦手状況の変化を受け入れにくい気持ちのコントロールが苦手(気持ちをなかなか切り替えられない)・・・という発達障害児シュウにとって、この一件は相当ハードな出来事だったようです。

周囲の子からしたら、シュウが泣き続ける意味が分からなかったでしょうね。最初に横入りされた時に泣くのはわかるとしても。空のブランコを前にしてもなお泣き続けるのはどうしてなのか・・・。理解しにくかったかもしれません。しかしそれには↑のような、発達障害故の特性が関連しているのです。

ちなみに私は「これが原因で、シュウが順番を守る事を嫌うようになったらどうしよう・・・。」と不安になりました。しかしシュウはその後もちゃんと順番を守っています。完璧ではなくって、そわそわして飛び出してしまう事もあるんですけど。適切な声かけをすれば、我慢できています。ほっと一安心です。

それではまた。