発達障害の子との毎日

発達障害の子供との日常を綴っています。真面目な話あり、くだらない話ありです。

自閉症、思いが伝わらないからしんどい。

もう7月ですね。いよいよ夏本番です。ハーフパンツの裾から出ているシュウの脚を見る度に「毛深いな・・・。」と感じているmamemuchiです。こんにちは。シュウは赤ちゃんの頃から毛深い子でした。

シュウ出産後、私はシュウを眺めながら「色黒だなぁ・・・。」なんて思っていました。しかし近くでよく見たら、産毛が多いだけでした。肌の色自体はそこまで黒い方ではなかったです。生まれた瞬間から現在まで、ずっと毛深いシュウです。男の子だからまあいいですが、女の子だったら悩むようになるでしょうね。

 

シュウを生んでから早7年。穏やかな気持ちで過ごせる時もあれば、沈んだ気持ちの時もありました。

 

シュウの事をかわいいと思ってはいるものの、毎日毎日全然楽しくない。義務感や責任感だけで過ごしている。日々の生活にこれと言って喜びはない

 

私は、そんなふうな心境の時期もありました。シュウが今よりもずっと小さい時の事です。どうして自分はそんな気持ちになってしまうのか。自分でもわかりませんでした。

そんな時、私は発達障害に関する講演会に行く機会がありました。そこで、次のような話を聞きました。

 

発達障害の子は、相手からの愛情を上手にキャッチできません。そして、相手に愛情を発信するのも上手ではありません。だから母親はしんどいのです。

定型発達の子であれば、もっとわかりやすい形で親に愛を伝えます。自分に向けられている親からの愛情も、もっと上手に察する事ができます。

母親は、どんなに子供を愛しても、それが伝わっていないように感じてしまいます。子供が自分を必要としてくれているのかもわからなくなってしまいます。だから辛いのです

 

一字一句同じではありませんが、意味としては大体↑のような事でした。この話を聞いて、私はようやく腑に落ちました。ああ、私のしんどさの正体はこれだったのか

 

自閉症のシュウは言葉も遅く、コミュニケーションも上手く取れませんでした。少しでも嫌な事があるとキーキー泣き喚いてばかりでした。会話なんて出来ませんでした。その行動は勝手気ままで、私を置き去りにして好きな様に過ごしている事もありました。

私は気付きました。自分は育児にやりがいが感じられなくてしんどかったのです

 

育児ってとても大事な事ですよね。けれども、給料という明確な報酬がある、いわゆる「仕事」とは違います。仕事における給料のようなわかりやすい報酬は、どんなに頑張っても無いんですよね。

でも。育児に限らず何でもそうだと思いますが、自分がやった事に対して、やっぱり何かを得たいです。何でもいいんです。ダイエット頑張ったら体が軽くなった、節約して頑張ったおかげで欲しかった物が買えた、勉強頑張ったら知識も技術も身について人としてより深みが出た・・・みたいな。

 

では、育児における報酬とは何か。それってやっぱり「子供が自分に愛情を向けてくれる事。」だと思うんですよ、個人的には。子供が自分に愛情を向けてくれるという事は、自分の愛情も子供に伝わっているという事ですから。

それがあるからこそ、日々の苦労も苦にならないのだと思うんです。私がしんどかったのは、そういう事だったのだと思います。自分なりにどんなに頑張ってみても、シュウに伝わっているのかわかりませんでした。

優しい方は、「子供がしっかりと大きくなっている時点で、母親は十分頑張っているよ。」と言ってくださると思います。私もそれを理屈ではわかっていましたが、感情が追い付いていないような感じでしたね。

シュウに何かを伝えても、それは私に返ってこない。・・・いや、シュウはもしかしたら、不器用なやり方ながらも一生懸命返そうとしてくれていたかもしれません。しかし当時の私には、それを感じ取れるだけの気持ちの余裕はなかったのです。当時の私は、育児にやりがいも喜びも達成感も、何一つ見つけられなかったのです。

 

人間が人対人として関わっていくには、やはりコミュニケーションが重要です。それは必ずしも言葉じゃなくてもいいんです。表情だったり、ジェスチャーだったり、しぐさだったり。

自閉症の場合、そのコミュニケーションがうまくいかない場合が多いのです。思いが伝わらない事が、しんどくなってしまうのです。子供の思いを上手く受け止められない事がもどかしいのです。

 

講演会に参加した事によって、ようやく自分の気持ちの正体を知る事が出来た私。その後は、「ふっきれた。」と言ったら言い過ぎかもしれませんが、随分と気持ちは楽になりましたね。余裕が出てきたと言いますか。

ほら、体の不調なんかでもそうじゃないですか。「原因不明の間は不安で気持ちも沈みがちだったけれど、原因がわかったら何だかスッキリした。原因がわかったからと言って、別段治療法があって完治するというわけでもないのだけれど。それでも原因を知れただけでも良かった。」・・・みたいな。あんな感じですね。

私の場合も原因がわかっただけで、これと言って現状をガラリと変える方法なんてないんですよ。それでも私は、幾分スッキリとしましたね。自分で自分の事を知るって大事ですね。

 

現在正体不明の気持ちのモヤモヤを抱えているあなた。自分だけで悩んでいても、なかなか出口が見つけにくいかもしれません。誰かに話してみたりして、気持ちを整理してみても良いかもしれません。

私は心理カウンセラーでも何でもない一般人ですが、あなたの心が少しでも軽くなるよう、陰ながら応援しています。

それではまた。