発達障害の子との毎日

発達障害の子供との日常を綴っています。真面目な話あり、くだらない話ありです。

発達障害、幼稚園1年目は正直キツかった

シュウは近頃ゲームしながら激ギレする事が多いです。上手く操作できないとか、スマホで縦表示にしたいのに勝手に横表示になるとか、敵が想定外に強いとかが理由です。シュウが楽しく過ごせればと思ってゲームを許可しているのに・・・。

ゲームをする度に泣きわめいたり、床を叩いて怒ったり(以前コントローラーやスマホ本体を床に叩きつけて私に怒られたので、自分の手で叩くようになった)。「あ~もぉ~。悔しい~(汗)」みたいなユルい怒りではなく、全力の激怒です。小さな理由で怒りが瞬時に頂点に達してしまうシュウに、少々困惑しているmamemuchiです。こんにちは。

 

4月から子供が幼稚園(保育園)に入る予定のあなた、そろそろ様々な準備も始めている頃ですね。新年度、楽しみですか?これまでワンオペ育児だった方は、自分の時間が出来ますからね。それは大きいですよね。

3年前の今頃。私もシュウの幼稚園入園準備をし始めていました。その時の自分の気持ちは、「楽しみ3:不安7」くらいでした。私はバリバリのワンオペ育児でしたからね。シュウが幼稚園に行っている間に自分のペースでいろいろ出来る。それがものすごく楽しみでした。でも、もちろん不安もありました。

集団生活はすでに療育で体験済みではありました。けれども療育の場は、周囲の子も大なり小なりシュウと似たような特性。当然保護者さんたちもお互いに理解があります。

しかし幼稚園は違うじゃないですか・・・。幼稚園と療育。同じ集団生活とは言ってもその内実は全く異なるんですよね。言葉によるコミュニケーションが苦手なシュウが、言葉が達者な子達の中でどうやって過ごしていくのか。他の保護者さん達は、どう思うのか。心配でしたね。

 

そんな気持ちで実際に幼稚園に入園してみて。幼稚園生活を送りながら私が抱いた感想は「シュウが幼稚園に入っても、思ったより私ラクにならない。」でした。

 

もちろんシュウが幼稚園に行っている間はいいんですよ。買い物も家事も、シュウに邪魔されることなくできますからね。しかし問題は送り迎えです。園バスが無い幼稚園なので、送り迎えは保護者がします。必然的に、シュウが他の子達と一緒にいる所を見る事になります。他の保護者さん達にも会います。

これがもうね・・・精神的にきつかったです。年少さんの夏休みが来た時、正直ホッとしましたもん。あぁ、これでしばらくは対人ストレスからは解放される~って。まぁ幼稚園生活にも慣れた頃には「夏休みどんだけ長いんだ。早く終われよ。」って思うようになりましたけどね。

 

シュウは積極的に暴力をふるう事はありませんでした。けれども、「本人には相手を攻撃する意思は無いのだが、結果的に暴力をふるったみたいになってしまう」シーンが多かったのです。

例えば、シュウは機嫌が悪くなると物を投げるクセがありました。周囲の状況を考慮せずにぶん投げるので、それが他の子に当たってしまったり。

他の子を押して転ばせてしまう事もありました。これは、「この子は嫌いだから、いじめてやろう。」みたいな気持ちから来る行動ではありません。シュウ本人は遊びの感覚なんです。遊びで押してしまうんです。まぁ子供同士って、押し合いして遊ぶ事ありますよね。でもそれって、お互いに押される事を了承して初めて遊びとして成立します。シュウはそこがわからないようでした。押すべき時じゃない時に相手を押してしまいます。不意打ちで押された相手は転んでしまいます。

同じような感じで、相手に体当たりするシーンもありました。これには3つ理由がありまして。

1つ目は押すのと同じ、遊びの感覚です。

2つ目は、「歩いている先に人がいても、止まったり避けたりする事が出来ず、そのまま直進してぶつかってしまう」という感覚統合の問題です。

こういう場合、人は主に次のような思考や動作をしています。

①歩く

歩きながら周囲の状況を確認

歩きながら行く手に人を発見

④避けるべきか止まるべきか、そのまま進んでも大丈夫か歩きながら考える

⑤道幅や体の幅等を考慮して、歩きながら行動を決める

⑥避けるなり止まるなり、決定した事を行動に移す

 

6つもあります。これらをほとんど同時に行っているのです。ただ歩くだけでもやる事が多いですね。

シュウはどこかの時点で、これらの思考や行動の連携が上手くいかなくなってしまうのだと思います。

 

そして3つ目の、人に体当たりしてしまう理由。これはパニックになっていて周囲の状況が目に入らないからという事です。何らかの理由で混乱状態や不安状態に陥ると、シュウは泣きながらその場から走り去ります。この時、シュウにはもはや何も見えていません。周りの様子を把握する余裕はないのです。その結果、泣きながら全力で走り、進行方向に立っている子達にぶつかって弾き飛ばしてしまいます。

 

以上の行動には本当に悩まされました。もうね、私としては他の保護者さん達に謝るしかないわけですよ。でも、やっぱり自分の子が理不尽に痛い目にあったらムッとするじゃないですか。幸いな事に、他の保護者さん達からクレームが来た事はありませんでしたが・・・。とにかく申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

今って、インクルーシブ教育という言葉をよく聞きます。「健常児も障害児も分けずに一緒に教育しよう」みたいな事ですね。障害児にも教育や保育を受ける権利はあります。お互いの事を理解する為に、一緒に生活していく事も大事です。

けれども実際問題として、健常児に我慢してもらわなければいけない、歩み寄ってもらわなければいけない場合が多いと思うんですよね。これがツラいところです。障害児が理解を得て暮らす為に、健常児が犠牲になる様な事はあってはならない思うんです。

 

シュウが周囲に迷惑をかける度に、そんな風に思っていましたねぇ。それでも実際には、配慮してもらわなければいけない場面が多いわけで。シュウを見守ってくれているみんなには、本当に感謝感謝なのです。

 

そんなわけで、幼稚園がシュウの面倒を見ててくれるぶん、物理的にはラクになりました。でも外に出るという事は、様々な人と関わるという事で・・・。周囲の人への対応で、精神的にはキツかったです。自宅でも困った行動はしますけれど、それって私が我慢するなり適当に流すなりすれば済む話ですから。けれども外部の人達に対して、いい加減な事はできませんからね。

 

現在はそういう困った行動は大分減りました。神経をすり減らすシーンは少なくなりました。シュウも随分と落ち着いてきました。そこに至るまでが長かったですが・・・。

 

幼稚園生活を楽しみにしている方には、水を差すような話になってしまいましたね。スミマセン。でもまぁ、こんな人もいるんだって事で。幼稚園が始まって、何か悩むような事が起きたら。その時は今回の話を思い出してください。「同じように大変な思いをしている人がいるんだな。同志だ。」くらいに思って、気持ちを落ち着けるのに役立ててくださいな。

それではまた!