我が家にはYAMAHAの電子キーボードがあるのですが、それにはデモ演奏が何曲も入っています。その中には「げんこつ山のたぬきさん」もあるのですが、これのアレンジがまぁ凄い。
原曲はほのぼのした童謡なのに、何か想像を超えたカッコいい曲に仕上がってるんですよ。アレンジャーさん凄いっす・・・。著作権とかに触れるでしょうから、音源を載せられないのが残念でなりません。こんにちは、mamemuchiです。
あなたは子供と沢山おしゃべりしますか?シュウは言葉が遅いですが、それでも話せる事はかなり増えました。その為、幼稚園入園前と比べると会話は多くなりました。
しかし多くなったとは言っても、そこはやっぱりコミュニケーションが苦手とされる自閉症児。言葉のキャッチボールにならず、一方通行な事も多々あります。
私:ラーメンに卵入れる?
シュウ:ピロロンっていった。(ゲームの効果音の話)
私:ふーん。ピロロンっていったのね。・・・で、ラーメンに卵入れる?
シュウ:ピロロンだよ。ピロロン。
私:靴を履こうか。
シュウ:12じは0じです。AMはしろ、PMはくろ。(私のスマホのアナログ時計表示は、午
前が白、午後が黒で表示される。)
私:うん、そうだね。それはわかったから、靴履こうか。
シュウ:PM3じは15じです。
私:今日は○○行って楽しかったね。また行こうね。
シュウ:とーまーれ。れーまーと。(止まれの標識)
私:そうだね、止まれってあるね。・・・で、今日は○○楽しかった?
シュウ:ダイヤあるよー(笑) (道路に書かれた♢マークの事)
私:時間ないから急いで食べてよ?
シュウ:今日は〇がつ△にち。くろです。(黒とは平日のカレンダー表記の事)
私:そうだね。今日は黒だから幼稚園あるね。早く食べないと遅れるよ。
シュウ:じゃあ、あか(日祝日の事)は?(この間、箸を持った手は完全に止まっている。)
私:休みだよ!(いいから早く食えっつってんだろ(怒))
・・・もうね・・・↑のようなやりとりが頻繁に発生するんですよ。しょうがない事と理屈ではわかっているのですが、あまりにも多いと正直イラっと来る時もあります。聞けよ私の話。
シュウはどうしても、目の前にある物や、その時自分が考えていた事の方に気持ちが向いてしまうんですね。通常ですと人は、例えそういう場合であっても相手に合わせる事ができます。自分が考えていた事を一時的に中断して、相手の話に意識を向ける事が出来ます。
自閉症児はそこの切り替えが苦手なようです。こういう所が「自(分の世界に)閉(じこもる)症」と呼ばれる所以なのかもしれません。
私を始め、周囲の大人はそういうシュウの特性を分かっています。しかし、シュウの事をよく知らない人は困惑するでしょうね。・・・シュウが幼稚園年少の時の出来事を思い出します・・・。
とある日の降園時。帰宅する前に、シュウは園庭で遊んでいました。園庭の片隅に積まれた枯草を手に取って遊んでいたのです。するとそこに、年長さんが通りかかりました。
年長サン:その草は触っちゃダメなんだよ。
シュウ:?(草は持ったまま)
年長サン:その草は、ここに置くんだよ。(シュウの手から草を取り、元に戻す)
シュウ:くさー(笑) くさー(笑) (「草」という響きが面白いのか、笑いながら再び草を
手に取る)
年長サン:・・・・・・。(困惑した表情)
シュウ:くさー(笑) くさー(笑) (笑顔で年長さんに、手に持った草をアピール)
年長サン:(シュウの扱いに困ったようで、その場を去っていった)
・・・↑のような事があったんですよ・・・。ちなみに私はその間、少し距離を取って様子を見ていました。「私とその子(シュウ)は無関係です」とばかりに、口出しは一切しませんでした。シュウの事をよく知らない普通の子は、話の通じないシュウに対してどういう反応をするのか、見てみたかったのです。
その年長さんはもともと落ち着いたタイプなのか、シュウに対して終始丁寧な対応でした。高圧的な感じはなく、優しく教えてくれているような感じでした。シュウが訳の分からない反応をしても、困ったような顔はしていましたが、イラついているような感じではなかったです。
年長さん、あんたものすごく大人だな。
やっぱりね、学年が違う子との交流は見ていて心配になるんですよ。同じクラスの子と違って、シュウの事をよく知りませんからね。ちなみに年少当時、同じクラスの子達はどういう反応だったかと言いますと・・・対応に困るというのはあったようです。
話しかけても反応がない・反応があった場合でも、シュウ独自の言葉や話題で返してくるので理解できない・シュウから話しかけてきた場合も、何を言っているのか分からない・基本、言葉が通じない。
・・・とまぁ、こんな状態だったそうです。先生の介入なしではコミュニケーションは不可能でした。クラスのみんなは「シュウを意図的にいじめたり避けたりはしないものの、正直どう接していいのかわからない。付き合い方がわからない。」という状態だったそうです。
クラスメイト歴3年目の今は、かなり状況が改善されています。長い時間を一緒に過ごしてきましたし、シュウも成長しましたからね。先生が付きっきりでなくても上手に遊べる機会が増えているようです。
シュウに言葉が出始めた時はとても嬉しかったです。けれども、言葉が話せる=会話が成立するとは限らない事をすぐに知る事になりました。↑のように、シュウの話は一方的なんだもの。シュウは自分が話したいことを話したい時に話したいように話しているだけでしたから。
「言葉が喋れるようになったからって、だから何だって言うんだ。結局こっちの話は通じないし、意味ないじゃん。」・・・なんて思った時期もありました。全く発語がなかったシュウが、自発的に話すようになるなんて凄い事なのにね。その当時の私は、育児ノイローゼと言うほど深刻ではありませんでしたが、シュウの世話に疲れていたのです。ちょっと心がやさぐれていたのです。
今はもう開き直って、ずれる会話も楽しむ余裕ができました。ショートコントと思えば面白いですよ。たまにイラつく時もありますが(笑)
子供の言葉が遅くて悩んでいるあなた、健常児と同じようにはなれないかもしれません。けれども、少しずつでも成長はしますよ。私だって、シュウと話せる日が来るなんて思ってもいませんでしたから。それが今は一応会話ができています。たどたどしいですけれどね。長い目で見て、ゆったりと生きていきましょう。
それではまた!